【特別受益】贈与の内容によってはトラブルの原因にも!?

「遺産って、財産の持ち主が亡くなってからの話じゃないの?」
遺産は結構複雑なんです。遺産相続にまつわる贈与について詳しく解説します。

細かくある贈与の種類、生前の贈与もあります。生前のうちから財産を分け与える際は十分に注意が必要です。良かれと思って与えた財産の一部が、自分の死後、遺族の揉め事の原因になる可能性があります。

子供のマイホーム購入や起業の際に資金を贈る際も十分注意しましょう。

不安なら、専門的なアドバイスを受けられる弁護士に相談すると良いですね。

贈与の種類

知らなかったでは済まされない、遺族間のトラブル発端にならないように、贈与について確認しておきましょう。

贈与の種類やその内容について解説します。

生前贈与

ここで重視するのは、特別受益に値するかということです。特別受益として値するかを探る1つのものさしは、財産を特別に与えたかです。

成人し、生計を別にする子への援助、例えば

  • 生活費
  • マイホーム資金
  • 起業する資金
  • 有価証券
  • 不動産

遺贈

遺贈は、遺産相続を決定する遺言書に記載された文言です。遺産を「誰にどのように贈与する」という文言に従って相続することをいいます。

特別に贈られた場合、特別受益対象です。特別にズルいという声が挙がった場合に限り、特別受益として提示しなけれなりません。

死因贈与

財産の持ち主が生前「私が死んだら」と約束、特別に受け取る相続人と合意し、実際に亡くなって受け取った場合、特別受益といえます。

特別受益にあたるか、感情的なこともあり、素人では判断が付きにくいのが難点です。

難しい判例も特別受益と訴え、認められ勝ち取る例もあり、専門的な立場である弁護士に相談すると良いでしょう。

特別受益とは

複数いる相続人のうち特別に贈与を受けていた場合です。

「あなただけ財産与えてもらってたの、ずるい」と他の相続人が不平等さに納得できないケースです。「そういう、あなただって!」となるかも知れません。

次に、不平等を訴える立場に立って確認していきましょう。

特別受益の計算方法

納得できない不平等に対して、どうするでしょうか。

特別受益を、平等に与えてもらうように請求します。全ての贈与を提示して、照らし合わせ、平等な解決方法を望むでしょう。

複数の相続人が受けた特別贈与を全て1つの机上に並べます。机上に並んだ特別贈与を平等に算出します。

その具体的な計算方法は遺留分分割に則って計算します。遺留分分割ということは、机上に相続した遺産も差し出します。

特別受益と相続遺産の合計を遺留分割合で算出するということになります。

こうして、特別受益は相続遺産になり、基本的な割合で法律上平等に分割され、手元に戻ってきます。

特別受益に重視すること

ここで、特別受益に当たる条件をあげます。不平等を言い出したら切りがありません。

法的に定められた特別受益の条件は、先に紹介した贈与の種類と内容が重要になってきます。

  • 生前贈与
  • 遺贈
  • 死因贈与

ただ、生前贈与については、全てが当てはまるという訳ではありません。決定的なのは複数いる相続人のうち特別に受け取ったか、ということです。

繰り返しになりますが、相続人のうち特別に受け取ったと声を上げなければ、問題にはならないということです。

注意が必要なのは、生前贈与の特別受益を取り返せる贈与は、10年までということです。

生前贈与は10年まで

特別受益を取り返す際に知っておくべきことは、10年間までと限るということです。

10年間とは「いつから・いつまで」か。原則として遺産相続開始から10年前までとなります。余りにも古い生前贈与を証明するのは困難であるとも言えます。

まとめ/贈与に寄ってはトラブルに発展するケースも

特別受益を取り戻す・戻される、どちらの立場にとっても感情的な部分が大きく、相続人同士の争い、トラブルに発展してしまうケースが多いです。

また生前贈与までさかのぼって、訴えるとなると更に感情が増してしまいます。

財産を分ける時は平等に分けることは重要です。トラブルに発展しないなために、慎重に行うと良いでしょう。専門的な立場である弁護士に相談すると安心して贈与することが可能です。

良かれと思って援助した資金が、亡くなった後子供たちの争いの原因になってしまわないように、生前から注意する必要があります。

遺産相続人の立場でトラブルが起こってしまった場合は1人で抱えるのではなく、専門的な立場である弁護士に相談することをお勧めします。

感情が引き金になっていることが多い問題だからこそ、第三者の立場に立ってアドバイスをもらえると良いでしょう。感情が感情で大きくならないうちに、早期解決が重要です。